AstraZeneca

エバシェルド®

新型コロナウイルス感染症の発症抑制
を目的にエバシェルドを投与される方
または投与を検討されている方と、
そのご家族のためのサイトです

はじめに

このサイトは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の「発症抑制」を目的としてエバシェルドを投与される方または投与を検討されている方と、そのご家族の方に、中和抗体薬であるエバシェルドについてご理解いただくための情報および注意事項を掲載しています。
ご不明な点がありましたら、医師、看護師または薬剤師にご相談ください。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

新型コロナウイルス感染症について

<感染メカニズム>

新型コロナウイルス感染症は、ウイルス表面に存在する「スパイクタンパク質」と呼ばれる突起が、人の細胞表面に存在する「ACE2受容体」と結合することで、ウイルスが細胞内に侵入、増殖して引き起こされます。

<感染後の経過>

新型コロナウイルスに感染した方では、軽症や無症状の場合もありますが、中には、普通の風邪のような症状が出てから5~7日程度で症状が急速に悪化したり、肺炎に至った方もいます1)
また、治療や療養が終わっても一部の症状が長引く方がいることが分かってきています1)

新型コロナウイルス感染のイメージ図

1) 厚生労働省:新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け),
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html, 2022年8月5日確認

新型コロナウイルスワクチンの効果が不十分な方について

現在、新型コロナウイルス感染症に対するワクチンは、複数の種類が開発され、新型コロナウイルス感染症の予防を目的に接種されています。これらのワクチンは、新型コロナウイルスが体内に入った際に、感染して発症することを予防するために重要な役割を果たしています。

しかし、中には血液悪性腫瘍(悪性リンパ腫、白血病など)の治療中で免疫力が低下している方や、原発性免疫不全症など免疫力が低い病気の方など、ワクチンの効果が不十分な可能性のある方がいます。
そのため、ワクチン以外の方法で新型コロナウイルス感染症の発症を抑制する方法が必要と考えられ、その1つの方法として中和抗体薬があります。
ただし、エバシェルドによる新型コロナウイルス感染症の発症抑制の効果は、ワクチンに置き換わるものではありませんので、感染予防の基本はワクチン接種であることにご留意ください。

免疫機能が低下している方でのワクチン接種後の重症化リスク

2回目のワクチン接種後7~43日目までに新型コロナウイルスに感染した際の重症化リスクは、免疫機能が低下している血液悪性腫瘍の患者さんでは、健康な人と比べて2.27倍であったという海外の報告があります1)

1) Mittelman M, et al.:Blood. 2022;139(10),1439-1451

中和抗体薬とワクチンの違い

中和抗体薬もワクチンも、新型コロナウイルス感染症の発症や重症化を抑制することを目的としており、どちらもウイルスの働きを抑える物質である「中和抗体」を体内に増やす効果が期待されますが、中和抗体薬とワクチンは以下の点が異なります。

<ワクチンによる予防(mRNAワクチンの場合)>

ワクチンを接種することで、ウイルスに対する抗体を自分の免疫の力で作り出す方法です。

ワクチン
<中和抗体薬について>

人工的に作った新型コロナウイルスに対する抗体を、直接体内に投与する方法です。

中和抗体薬

厚生労働省 新型コロナワクチンについて https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0017.html
[2023年2月9日 閲覧]

発症抑制とは?

「発症抑制」とは、特定の細菌やウイルスなどによる感染症の症状が出る前に、あらかじめ薬剤の投与などを受けておくことで、細菌やウイルスが体内に入り込んだ場合でも、細胞内への侵入を抑え、その感染や発症を抑制する方法のことです。

エバシェルドについて

エバシェルドは、新型コロナウイルス感染症の発症を抑制するための中和抗体薬であり、「チキサゲビマブ」と「シルガビマブ」という2種類の抗体を投与します。

エバシェルド

新型コロナウイルス感染症の発症抑制

新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が推奨されない方、または免疫力が低下しておりワクチンの効果を十分得られない可能性のある方が、新型コロナウイルス感染症を発症しないようにするための選択肢の1つとして、エバシェルドがあります。
ただし、エバシェルドによる新型コロナウイルス感染症の発症抑制の効果は、ワクチンに置き換わるものではありませんので、感染予防の基本はワクチン接種であることにご留意ください。

新型コロナウイルス感染症の発症抑制

「発症抑制」を目的にエバシェルドを投与する場合の投与対象者について

エバシェルドの投与対象は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が勧められない方や、ワクチンの効果が不十分な可能性のある方です。
ワクチンの効果が不十分な可能性のある方とは、以下のような免疫力が低下している方などがあげられます。

<ワクチンの効果が不十分な可能性のある方の例2)
  • 血液悪性腫瘍(悪性リンパ腫、白血病、多発性骨髄腫など)で治療中の方 血液悪性腫瘍(悪性リンパ腫、白血病、多発性骨髄腫など)で治療中の方
  • 臓器移植を受けた方 臓器移植を受けた方
  • 原発性免疫不全症の方 原発性免疫不全症の方
  • その他、B細胞枯渇療法(リツキシマブ等)中もしくは投与を受けて1年以内の方 その他、B細胞枯渇療法(リツキシマブ等)中もしくは投与を受けて1年以内の方

詳細な投与対象者は、以下のとおりです。

  • 抗体産生不全あるいは複合免疫不全を呈する原発性免疫不全症の患者
  • B細胞枯渇療法(リツキシマブ等)を受けてから1年以内の患者
  • ブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬を投与されている患者
  • キメラ抗原受容体T細胞レシピエント
  • 慢性移植片対宿主病を患っている、又は別の適応症のために免疫抑制薬を服用している
    造血細胞移植後のレシピエント
  • 積極的な治療を受けている血液悪性腫瘍の患者
  • 肺移植レシピエント
  • 固形臓器移植(肺移植以外)を受けてから1年以内の患者
  • 急性拒絶反応でT細胞又はB細胞枯渇剤による治療を最近受けた固形臓器移植レシピエント
  • CD4Tリンパ球細胞数が50cells/μL未満の未治療のHIV患者

ご自身が投与対象であるかについては、医師にご相談ください。

2) 日本感染症学会. COVIDー19に対する薬物治療の考え方 第15.1版(2023年2月14日発行)p.20
https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_drug_230217.pdf

エバシェルドの投与を受ける前に確認すること

投与対象者の中で、以下に当てはまる方は、エバシェルドの投与を受ける前に、事前に医師にご相談ください。

  • 以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などの重度のアレルギー症状が出たことがある方
  • 心臓や血管に関連する病気のリスクのある方、または以前に心臓や血管に関連する病気になったことがある方
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある方、授乳中の方

エバシェルドの投与方法

エバシェルドは2種類のお薬を、左右のおしりに別々に注射します。

エバシェルドの投与方法

エバシェルドの投与後の注意点

エバシェルド投与後は、医療従事者の指示に従い、一定時間安静にしてください。

エバシェルドの副作用

以下のような徴候や症状がある場合、その他、いつもと違う体調の変化を感じた場合は、速やかに医師の診察を受けてください。





過敏症(アナフィラキシーを含む) ●全身のかゆみ ●ふらつき ●寒気 ●意識の低下 ●じんま疹 ●動悸 ●汗をかく ●口唇周囲の腫れなど ●喉のかゆみ ●息苦しい ●発熱 など
注射部位
反応
●注射をした部位の痛みや腫れ、かゆみ など
注射に伴う
反応
●発熱 ●皮膚の赤み ●頭痛 ●不整脈 ●寒気 ●発汗 ●低血圧 ●頻脈 など
<アナフィラキシーの主な症状>
アナフィラキシーの主な症状

エバシェルドの再投与について

エバシェルドの初回投与より6ヵ月以降に、エバシェルドの再投与が必要になるケースがあります。
あなたが再投与の対象となるのかを総合的に判断する必要があるため、医療従事者の指示に従ってください(再投与の対象とならない方もおられます)。

エバシェルドの再投与について

ワクチンとエバシェルドの投与間隔について

エバシェルドの投与を受けた後に、ワクチン接種を希望される場合には、必ずしも一定期間を空ける必要はないとされています。
また、ワクチン接種後にエバシェルドを投与する場合についても、一定期間を空ける必要はありません。

ワクチンとエバシェルドの投与間隔について

投与を受ける方のためのパンフレット

投与を受ける方のためのパンフレット

エバシェルドの投与を受ける方と、そのご家族の方へ、投与時の注意点や副作用などを解説しています。

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エバシェルドの投与を受ける方へ

エバシェルドの投与を受ける方向けに、発症抑制についてや、エバシェルドとはどういった薬剤かを解説しています。
巻末に再投与日記載カードも添付しておりますので、再投与日を忘れないようにご自身で管理することもできます。

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新型コロナウイルス感染症の
発症抑制を目的に
エバシェルドを投与される方または
投与を検討されている方と、
そのご家族のためのサイトです

このサイトは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の「発症抑制」を目的としてエバシェルドを投与される方または投与を検討されている方と、そのご家族の方に、中和抗体薬であるエバシェルドについてご理解いただくためのサイトです。
このサイトで提供しているエバシェルドについての情報は、投与される方または投与を検討されている方と、そのご家族の方に、エバシェルドについての正しい理解と、重大な副作用の早期発見などにお役立ていただくために提供するもので、医学的な判断、アドバイスを提供するものではありません。
エバシェルドの投与に関して疑問などがある場合には、医師、看護師または薬剤師に必ずご相談ください。
エバシェルドを投与される方または投与を検討されている方と、そのご家族の方以外の閲覧はご遠慮ください。
なお、エバシェルドは2024年11月末をもって流通している製剤の使用期限が切れるため、投与は終了となります。

あなたは、エバシェルドを投与される方
または投与を検討されている方と、
そのご家族の方ですか?